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[英文契約書]機密保持契約書NDA(Non-Disclosure Agreement)CDA(Confidential Disclosure Agreement)

機密保持契約書NDA(Non-Disclosure Agreement)CDA(Confidential Disclosure Agreement)

目次

1.機密保持契約書NDA(Non-Disclosure Agreement)CDA(Confidential Disclosure Agreement)

機密保持契約書は、英語ではNDA(Non-Disclosure Agreement)やCDA(Confidential Disclosure Agreement)と呼ばれます。
英文契約書における機密保持契約書NDA(Non-Disclosure Agreement)CDA(Confidential Disclosure Agreement)とは?
英文契約書の専門家がわかりやすく解説します。

2.機密保持契約書NDA(Non-Disclosure Agreement)CDA(Confidential Disclosure Agreement)の意義

機密保持契約では、お互いに保有する機密情報を保護するために、機密保持義務の対象となる機密情報の定義、機密情報を開示あるいは提供する目的、機密保持義務違反となる範囲などを、できるだけ明確にすることが重要になります。また、これらを書面でしっかりとしたエビデンス(evidence)として残しておくことにその意義があります。

3.当事者

英文契約書の機密保持契約書では、日本の契約書で用いられる「甲」「乙」という表現はあまり使われず、それぞれの当事者を下記のように表現することがあります。
disclosing party 開示当事者(機密情報を開示する当事者)
receiving party 受領当事者(機密情報を受領する当事者)
また、「両当事者」として、「the parties」といった表現がよく用いられます。

4.機密情報に該当しない情報として

日本の機密保持契約書でも頻繁に出てくる「公知となった情報を除く」などの「機密情報に該当しない情報」の列記は、英文契約書の機密保持契約書でもよく記載があります。なお、「法令に基づき行政機関や裁判所などから開示を命じられた情報」も除外されるとの機密保持契約をよく見かけますが、厳密には、これらの情報全てが「機密情報ではない」と定義してしまった場合、開示当事者のリスクとなってしまう場合がありますので注意が必要です。

5.機密保持義務

機密保持契約で定義された機密情報を、定義された目的以外には使用してはならないこと、また善良な管理者の注意をもって秘密裡に取り扱わなければならないことを明確に定める必要があります。
その上で、どういった事由を例外にするのかも併せて明確に定めておく必要があります。本来は円滑な取引の履行が目的であるにもかかわらず、相手方への機密保持義務が足かせとなりこれが行われないようなことがあれば意味がありませんので、お互い自社のリスク回避を念頭にしながらも事業に寄与できる機密保持契約の締結が望ましいといえます。

6.救済措置

機密保持義務違反が生じた場合の救済措置について、日本法と英米法では、その取り扱いが異なることが多く在ります。
日本法では、機密保持義務違反が生じ、機密情報が漏洩した場合に開示当事者が被った金銭的な損害の賠償を請求する定めがあるのが一般的です。この場合、損害額を立証する責任は開示当事者にあります。
ただ損害額を立証することが困難であることと、英米法特有のエクイティ(equity/衡平法)の考え方から、「機密情報のその後の使用の差し止めを裁判所に請求できる」といった救済措置の条項が盛り込まれることが多くあります。

7.まとめ

日本の企業が、海外の企業と取引を開始する際に大変重要であると考えている「機密保持」ですが、原状として、先方が提示したNDAやCDAを、(何ら修正依頼などせず)そのままサインしてしてまっているということも多くあると思います。

今一度、機密保持や機密情報の定義、そして、違反した場合は、どのような措置を講じることができるのかなどについて、締結前にしっかりと確認することが重要であるといえます。

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